鳴門わかめ
鳴門わかめは、瀬戸内海と紀伊水道の潮流がぶつかる「鳴門の渦潮」で知られる鳴門海峡で生息していて、色艶がよく肉厚で歯ざわりも抜群!徳島を代表する海産物のひとつです。
普通のわかめは長く水の中に浸しておくと、ベタベタになり、炊くとドロドロになります。
しかし鳴門わかめの特色は、一向にそれがなく、灰干し乾燥によってかさを少なくし、長期間保存できる上に、味も色つやも再生できるのです。
水に戻したわかめを、たぎった湯の中へ投じると、みるみるうちに素晴らしい緑色に変化します。
鳴門わかめの栄養
鳴門わかめに含まれる主な栄養成分
- ◆食物繊維(整腸作用、コレステロールを下げる)
- ◆ヨウ素(甲状腺ホルモンの合成)
- ◆ミネラル(おもに骨や歯の材料となる)
- ◆ビタミンA(目の健康維持)
- ◆ビタミンK(骨の形成を促す)
- ◆ビタミンB1,B2(疲労回復、エネルギー代謝をサポートする)
鳴門わかめの歴史
鳴門わかめの歴史は古い。鎌倉中期の文芸作品「なよたけ物語」に、さる高貴の殿上人に望まれて、美しい若い女、つまり“わかめ”を差し上げた少将が、昇進して中将になったという話がある。直接わかめには関係していない話であるが、この当時から鳴門わかめの味覚が、珍重されていたことに間違いない。
それよりずっと以前の、天平時代や平安時代には「むや」から貢物としてわかめを朝廷に献上されていたという文献が、最近平城宮跡よりその荷札が掘り出され実証されています。
そして灰干しわかめの創設者は、里浦町の前川文太郎という人物だと言われている。 幕末弘化の頃、讃岐地方に灰干しわかめの行商をしていた文太郎が、わかめも売れず疲れ果てて木陰で休んでいたところ、ふと思いついて美しい小川の水でそれを洗い、木の枝へかけ乾かしていたところ、目も覚めんばかりの鮮やかな緑の光沢と膚ざわりに一驚。 それ以降いろいろ工夫を凝らして、販売できる製品に仕上げたという話だ。
鳴門わかめができるまで
5月に種付けと言って、種付け用に育てた親わかめを採取し、胞子を放出させてわかめの赤ちゃんを作る。
6~7月に育てたわかめの苗を種糸に採苗する。
そして10~11月に種糸に巻きつけ育てた小さなわかめを養殖縄に巻きつけ育てる。
3月には1.3メートルから2メートルにまで育ったわかめを収穫します。
食べる部位
鳴門わかめを作っている漁業数
元々は天然採取に頼っていた県内のわかめ生産も昭和38年に鳴門市と阿南市の一部から養殖生産へ移行が始まり、昭和49年には養殖経営体数が800を越え、収穫量も1万5,500トンに達しました。
その後徐々に減少し、11漁業地区で合わせて416経営体が約8,800トンを生産しており、地区ごとに漁場環境や経営内容に合わせた生産体制がとられています。
北灘、北泊、堂浦地区では、底びき網、釣等の漁業を営む傍ら副業的にわかめ類養殖を行う経営体は多く、生育条件や他の漁業操業にあわせ、1月下旬頃から収穫が開始され、大半は養殖施設から食節幹縄を外して陸揚げ総どりの方式で収穫されいます。
美味しい鳴門わかめが食べたい
- 鳴門わかめ豆知識 その1 -鳴門わかめの種類と戻し方-
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◇【塩蔵わかめ】わかめを湯通し・冷却し、塩蔵処理したあと中茎を抜いたもの
・・・水で5~6回洗って塩気を抜いてよく水切りをする
◇【糸わかめ】塩蔵わかめを水洗いし、細かく裂いて乾燥させたもの
・・・数分間水に浸したあと、水洗いして水気を切る
◇【カットわかめ】塩蔵わかめを水洗いし、裁断して特殊乾燥処理させたもの
・・・そのまま汁物に入れることができ、1~2分でいただける
- 鳴門わかめ豆知識 その2 -鳴門わかめの下ごしらえ-
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糸わかめなどの乾燥品は、戻すと約10倍になります。分量にはご注意を!
水に浸しすぎると、特有のコシがなくなってしまうので、戻し加減は慎重に!
また、戻した後で加熱する場合は、完全に戻さず半分くらいの戻し加減にしておくのがよいでしょう。
戻したわかめは水きりが肝心。しっかり水気を切らないと、水っぽくなってしまいます。