わんわん凧
鳴門市撫養地方では 大凧上げが名物となっています。 その名も「わんわん」凧。
わんわん凧の起源は、元禄5年(1692)、岡崎の蓮華時本堂の再建のお祝いに、棟染又右衛門が余興として 丸凧を揚げたのがはじまりと言われています。
「わんわん」とは椀のことで、最初に作られた凧が椀の図柄であったため、その愛称が定着し、大凧の代名詞となったそうです。
その大きさには目を見張るものがあり、最大のものは直径24メートル、総重量5トンもあり、世界一といわれる大凧です。これを揚げるのには200人かかるのだとか。
地区の者が総出で作り上げた巨大な凧は、風を切り裂き大空へ吸い込まれ、その姿に多くの人がとりこになりました。
しかし、娯楽が増えるとともに農地拡大で海岸は縮小され、今はほとんど見られませんが、一部の愛好家グループによって楽しまれ、鳴門の風物詩となっています。
凧上げは、5月から7月にかけて強いマゼ(南東の風)が吹くと、里浦町の海岸で行われます。
大きなものばかりでなく、子供向けのミニワンワン凧もあり、土産物のひとつとなっています。